末期がん患者のむくみに対するアロマトリートメントの効果|スタッフブログ|林山朝日診療所グループ|神戸市須磨区・長田区・西区

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2009年02月27日

末期がん患者のむくみに対するアロマトリートメントの効果

目的

がんの進行や手術によりリンパ浮腫など浮腫が増悪する事がしばしばある。浮腫の増悪により、重だるさによる不快感だけでなく、皮膚が硬化し疼痛が出現したり、二次的に関節運動が制限され、日常生活においてさまざまな障害を起こす。その人らしい生活を過ごすために、アロマトリートメント(以下トリートメントと略す)を実施した。その結果、リラクセーション効果と症状緩和が得られた事例の中から3事例報告する。

症例

  1. Y様63歳女性、膵臓癌、通院にて化学療法を受けていたが、腹水・両下肢浮腫著明のため通院困難となり、訪問看護開始になる。マッサージ希望あり当日よりトリートメント(CUPRESSUS・EMPERVIRENS、JUNIPERUS COMMUNIS SSP COMMUNIS、CITORUS LIMON)・リンパドレナージ1回/Wで開始、その後2回/Wになる。最期亡くなる当日もトリートメント実施する。
  2. W様54歳男性、胃癌、胃全摘+脾臓摘出、左下肢動脈血栓後恥骨・左臀部下肢腫脹、象皮症となり、下肢伸展位のままとなる、頸部・体幹右に傾いている。自宅に帰られ訪問開始当日より温タオルで温め、トリートメント(Laurus・nobilis、CUPRESSUS・EMPERVIRENS、ANIBARASAEODORA)・リンパドレナージ1回/Wで開始する。
  3. A様52歳女性膵臓癌・多発性肝転移・腹膜播腫、化学療法を受けていたが腹水著明となり、在宅療養となり訪問看護開始、初日両下肢浮腫著明にてリンパドレナージ施行、トリートメント(CUPRESSUS・EMPERVIRENS、JUNIPERUS COMMUNIS SSP COMMUNIS、CITORUS LIMON)2回目より2回/Wで開始する。

(精油は全てプラナロム社のものを使用)

結果・考察

3名とも客観的データーを測定していないが、トリートメント中や後に気持ちよいと、実施中に休まれることも多かった。Y様下肢トリートメント中に家族や病気の事を話される。トリートメント後、浮腫軽減、下肢が動かしやすくなる。母親の喜寿の祝いに外食できる。最期の日は上肢トリートメント実施、その日の夕方亡くなられる。W様の皮膚の硬化・関節拘縮に関して屈曲位はとれなかったが、皮膚は若干軟らかくなり、シワが見られる様になる。トリートメント中に病気や自分史などを話され、穏やかな表情が見られるようになる。訪問日以外は奥様が温タオルで温めたり、オイル塗布を時々されていた。A様下肢トリートメントは「バリでマッサージしてもらっているみたい、とっても気持ちよい楽になった」と京都まで車で外出される。腹水著明となり訪問開始後9日目に入院となる。3名とも気持ち良いや楽になった、動かしやすいという主観的な症状緩和は認められた。症状緩和により2名は外出も出来、QOLの向上の一助に繋がったと考える。精油の香りが良いと言われており、患者・家族にもリラックス効果があったと考える。患者とより良い人間関係を築け、患者の気持ちを自己表現できることにより、精神的に落ち着ける要因になったと考える。

中村晴美(訪問看護ステーションわたぼうし)

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